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Special Interview vol.30 Hilty & Bosch / Dancer

2017.12.13

今年キャリア20周年を迎えたHilty & Boschは、ダンサーとしては稀な“自分たち名義”のアルバム音源をリリースした。ワールドワイドな活動を続け、高みを目指す彼らの“The NEXT”は何なのか、ZINとYOUの2人に語ってもらった。

- お2人は小学校の頃からの付き合いと聞いたのですが。


ZIN はい、そうです。6歳の頃から小中高と一緒でした。ダンスを始めたのは、中学3年、15歳の時ですので、今年で20年。お互い知り合っては30年です。


- ダンスの前はスケートボードをしていたとか。


ZIN 本当に"遊び程度"ですけど。


YOU ファッションも含めてストリートカルチャーが好きで、その延長線上にスケートボードがあった感じですね。


ZIN ある意味、ストリートカルチャーの延長という意味ではダンスも同じなんです。


- 20周年を迎えた今年の春には、自分たち名義のアルバムを発売していますが、ダンサーが音源リリースというのはとても珍しいと思います。


ZIN 日本のみならず、世界各地で自分たちの単独ライヴを開催している中で、使用したい曲の許諾関係という、ダンサーなら誰もがぶち当たる壁があったんです。同時に、自分たちのライヴを自分たちの曲で出来たら、もっといいじゃないかと。構想自体は2年以上前からあったのですが、いろいろな人との出会いもあり、音源制作の具体的な動きが可能になった感じです。そして、まずは1曲作ってみようと。


- PVにもなった「Step Out To The World」ですね。


ZIN はい。この楽曲制作で、音楽クリエイターやミュージシャンの人たちと作業していて、「このままアルバム作る?」と。これまでもインスト音源を出したことはありましたけど、ダンサーが自分名義でアルバムをリリースするのは、あまり聞いたことないし、ダンサーの新たな世界・新たな方向性を提示していけたらといいなと思っていました。


- アルバムにおける立ち位置は、"プロデュース"でいいんでしょうか?


ZIN そうですね。自分らが楽器を演奏できるわけではないので、こんな曲で踊りたいというフィーリングを伝えていく感じですね。今回一緒にレコーディングしたクリエイターやミュージシャンにとっても、ダンサーの感性というか、センスは新鮮だったみたいです。お互い興味深いセッションになったと思います。


- アルバムヘのリアクションはどうでした?


YOU 最初は、驚きというか、「えっ?」という反応も多かったですね。


ZIN 海外でのリアクションは、初めから良かったです。海外でのSHOWやワークショップなどでも自分たちの曲をかけて踊ると、「この曲は何?」とか。前々からダンサーとしてはだけでなく、一アーティストとして自分たちの立ち位置を作っていきたいと思っていたので。僕らが以前3年間、ドイツで活動している時は、まわりがいろいろなジャンルのアーティストで、ダンサーの僕らにとってある意味アウェイな環境だったんです。日本にいると僕らが参加するのはダンスイベント、ダンスのSHOWといった感じで、ダンサーに囲まれ、ダンスに興味ある人にしか届かないような状況。そのダンスシーンが僕らは大好きなんですが、ともすると"シーンに甘えてしまいそう"な環境だったことに気付いたんです。それからはどんな世界でも通用するようなアーティストになろうと決意して行動しています。


-

そんな中で、Hilty & Boschは、「Lock」というジャンルで語られることが多いのですが、そのあたりはいかがですか?

ZIN 「Lock」へのこだわりがあるのかと聞かれれば、もちろんあります。「Lock」が大好きですし。でも、同時に「Lock」だけに固執しているわけではないなと。例えば、アジアは別ですけど、アメリカやヨーロッパではLockダンスというシーンがあるわけではないんです。だから、僕らのワークショップに参加してくれるダンサーたちもLockを踊りたいんじゃなくて、僕らのダンスを見て「カッコイイな」と来てくれているんです。だから、感覚としては、僕らはLOCKをメインに踊っていますが、どんな曲でも踊るし、踊れるし、「Lock」云々よりは、「自分たちのダンス」を追求していきたいなと。

- 現在は、LAを拠点にしているんですよね。

ZIN これまでヨーロッパに呼ばれることは多かったんですけど、自分たちが20歳過ぎに感じた「原点」はやっぱりアメリカだったし、勝負するなら今しかないなと。いろいろな経験をして、まだ体力もあって。

YOU 最初にアメリカへ行った時、そこそこの自信はあったんですけど、カルチャーショックを受けましたからね。だけど、ダンサーに壁はないというか、人種や言語に関係なく勝負できるので、憧れだけでは終わらないと。

- YouTubeに上がっている『LA HOUSE』の豪邸は自宅なんですか?

ZIN 観ました(笑)? 僕らの自宅です、借りているんですが。

YOU すごい家なんですけど、住んでいると意外と慣れてくるというか(笑)。

ZIN ロケーション的にもノースハリウッドで、僕らにとっていい場所なんですよね。LAを拠点といっても、これまでも海外の仕事が多かったので、あまり変化はないです。

YOUただ、LAに住んで向こうのアーティストたちとの距離感がぐっと近づいたので、いろいろな形での共演とかができるかなと。

ZIN 突然アーティスト本人からコンタクトがあったりするからね。

- だいぶJADEのレザーシューズを履き込んでいただいているようなのですが、それぞれファッションのこだわりをお聞きしたいなと。

YOU 元々はLAが大好きなストリートファッションって感じでしたけど、年齢を重ねるとともに自然と落ち着いてきたかなと。また、日本にいるとダンサーのファッションってどうも似てくるようなところがあるんですが、海外だと本当に自由なんですよね。当たり前なんですけど、自分が似合うのが一番だと。そんなのに影響受けて、ダンサーっぽいとかは気にせず、自分らしいファッションを心がけています。

ZIN 僕は昔から根本的な好みというかこだわりはあまり変わらないかな。シンプルが好きというか、Tシャツ1枚でもカッコ良くありたいなと。ステージでは、最近またスーツやジャケットのスタイルがいいかなと思っています。そこに少し着崩してストリートっぽさをプラスすると。

- そんなスーツスタイルには、JADEのレザーシューズはぴったりですね?

ZIN これだけ踊れるドレスシューズって本当にないですからね。海外でショーやワークショップを開催する時、よく現地のダンサーに聞かれますよ。「それはどこのシューズ?」って。

- 今後の活動では、一番近いところでは来年3月4月に日本で、単独ライヴショーがあるんですよね。

ZIN ダンサーの単独ライヴってなかなか想像しづらいと思うんですけど、単純にいうと……僕らがずっと踊っています(笑)。今年10月〜12月には日本公演を含めたアジアツアーを行いまして、そのライヴでは、春に発売したアルバムからの曲・ダンスはもちろんのこと、この20年で反響の多かったダンスも披露しました。今回のライヴでは、『初めてダンスライブを見たけど、想像以上に感動した』『胸が熱くなった』というお声もたくさん頂き、自分達のダンスが一般の方へ少しでも届けられたのかなと、嬉しくなりました。ダンスイベントではないので、まだ観て頂けてない方々にも一度観に来てもらえたらうれしいですね。情報は各SNS等で発信していきます。ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

Profile / Hilty & Bosch

世界を股にかけ活躍する日本のストリートダンスユニット。 そのパフォーマンスは世界各地で評価されており、YouTubeでの累計再生数は3,500万回を超える。これまでに30カ国以上の主要都市で、ショーや舞台、 ワークショップやメディアへの出演を行ってきた。2017年12月、初のアジアツアーを成功させ、今後も世界規模での活躍が期待される。2018年は、3月24日(土)東京、4月22日(日)大阪での単独ライヴ開催が決定している。

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